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「主のご復活おめでとうございます」

 

 皆様、改めまして、主のご復活おめでとうございます。この春から3教会の主任司祭となりました。新しい司牧体制の始まりとなりますが、司祭になってまだ間もないわたくしですので、きっと皆様にご迷惑やご心配をおかけすることと思います。教会においては「若者」と言える若輩者で、まだまだ神父になりたてですので、優しく暖かい目で見守ってやっていただければと思います。

しかし、復活祭が来たと思ったところ、4月21日の復活の月曜日に、教皇フランシスコがお亡くなりになるという、衝撃的なニュースも飛び込んできました。驚いた方も多かったのではと思います。前日の復活の主日には多くの人の前に姿を現して挨拶していたというのに、、、。2018年に日本に来日した際には、東京ドームでパパ・モービレ(パレード用教皇専用車)に乗って手を振る姿を、スタンド席の遠くから眺めていたことを今でも思い出します。

 フランシスコ教皇は、2013年に、前任者ベネディクト16世の生前退位を受けて74歳という高齢にも関わらず選出されました。しかし、年齢を思わせない勢力さで世界を飛び回り、様々な使徒的文書も残されました。使徒的勧告「福音のよろこび」は日本語訳が出版された当初、なんて素晴しいことを言う教皇様なんだと思ったものです。これまでの教皇文書というのは、堅苦しくて、読みにくい文書が多い中で、ご自分の言葉で、司牧の現場の経験と問題をしっかりと見つめさせて、かつイエス様らしい希望に満ちた未来を見せてくれるようなものでした。

また、シノドス的教会の歩みを始められた当初は、コロナ禍にもかかわらず「分かち合い」を推し進めることに、わたし自身も担当者でありながら、若干の疑念を感じながらも推し進めてきた今となっては、パパ・フランシスコが何に危機感を覚え、今の教会に決定的に欠けているものの本質を見定めて、力を失いつつあるカトリック教会の中に、信仰の炎を、まさに福音の喜びを取り戻そうとしておられたのだと、あらためて感じています。教皇選挙の行く末も気になりますが、今はパパ・フランシスコの功績とその熱意に感謝をしつつ、パパ様の安息を祈ることとしましょう。

 復活徹夜祭の夜、浄められた炎を復活のろうそくに灯し「キリストの光、、、神に感謝」と歌いました。それぞれのろうそくに炎が移されたとき、わたしたちひとり一人が、イエス様にいただいた信仰の炎を思い起こしていたのではないでしょうか。わたしたちの中には、イエス様が灯してくださった信仰の炎があります。その炎はいまどうなっているでしょうか。赤々と燃え盛っていますか。それとも、もう鼻息だけで消えそうなほどに小さくなっていませんか。

ちょっとした風に揺らいではいませんか。時折、この心の中のろうそくの炎を見つめつつ、祈る時間も大切なひと時になるのかも知れません。この新しい春に、自分の心に灯された炎を見つめつつ、エマオへの道の弟子たちと同じように、イエス様と共に豊かな歩みを進めていきましょう。「あの時、わたしたちの心は燃えていたではないか」の言葉を、いま一度、自分の言葉として思い出しつつ。

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