聖母月に聖霊降臨を迎えて
クレタ 中村道生神父
教会が、1年で最も美しい5月を聖母マリアに捧げているのは素晴らしいなーとよく思います。
私は、釧路から旭川に転任してから、事故を起こしたこともあって、間もなくして自動車の免許を返納し
ました。 その後、昼休みに小一時間、神居公園や美瑛川の堤を散歩するようになりました。
今年は特に雪が多くて歩くのにしんどい思いをしましたが、それだけに、復活祭を過ぎると雪もほとんど融け、さらに、聖霊降臨を迎える5月になると草花が咲き、散歩が楽しみになっています。
先日、聖ヴィアンネ会のミサの帰りに朝日に照らされた高砂台の緑は息をのむほどの美しい風景でした。毎日の散歩のときの、道路際や公園に咲いているタンポポや、チューリップ、芝桜などほんとに見事です。 典礼聖歌を心の中で口ずさみながら歩いています。
マリア様は、毎日散歩されたかはわかりませんが、聖家族が毎年過ぎ越し祭にエルサレムに巡礼されたことや、それに、エリザベト訪問されたこともよく知られていますね。
5月1日、教会は労働者聖ヨセフを記念しますが、早く帰天されたと考えられていますので、イエス様は、30歳で3年間の宣教活動を始められるまで、おそらく10年以上、母子家庭として、マリア様とどのような生活を送られたのかとよく考えることがあります。ルカの福音(2章39~51)によると、“イエスの両親は、毎年、過ぎ越しの祭りにエルサレムに上っていた”と書いています。イエス様は、「ごらんよ、空の鳥、野のユリを…」と言っておられますが(マタイ6,25参照)、これには、マリア様と毎年巡礼された時の体験があるからではないかと思います。
マリア様は、イエスの福音宣教にも、弟子たちや、マグダラのマリアはじめ他の婦人たちと一緒に同伴されていました。最後のとき、十字架の傍らにおられた御母に、イエス様は、「婦人よ、あなたの子です」と。 さらに愛する弟子に、「見なさい。あなたの母です」と仰せになりました。(ヨハネ19,26参照)。 使徒言行録(1,12~14)では、最後の晩餐が行われた髙間で弟子たちと共に聖霊降臨を願って、“心を合わせてひたすら祈っていた”とあります。
ルルドやファチマのご出現を思うと、マリア様は今も全世界の平和と一致のために、聖霊の恵みを祈っておられることを疑いません。 イエス様も、「私も父にお願いしよう。そうすれば、別の弁護者を遣わして、いつまでもあなた方とともにいるようにしてくださる」と約束してくださっています。「教会の母聖マリア」も、主が私たちのために遣わしてくださっているもう一人の弁護者にほかなりません。
“聖母月:聖母マリア様の 生き方に倣って 歩みましょう。
詩編の言葉:心を尽くし 神をたたえ 全ての恵みを 心に留めよう“