不思議な繋がり
山本 孝神父
春休みの春分の日の前後は、フランシスコ会のほとんどの会員の修道誓願の更新や叙階の記念日になっています。3月19日は聖ヨセフの祭日で3月25日が神のお告げの祭日です。わたしも若い頃、初めて修道服をもらう着衣式や初誓願をこの時期に受けました。また終生誓願式もありました。司祭叙階式はわたしのクラスは少し早く神学4年生の夏に受けました。
毎年、春休みは進級や引っ越しで忙しく過ごしていました。2015年に、3月17日の長崎の信徒発見の記念日が、「日本の信徒発見の聖母」の祝日に格上げになりました。この祝日は1865年に長崎の大浦天主堂を見学にきた十数人の人たちが、プチジャン神父に「サンタマリアのご像はどこにあるか聞き、自分たちもあなたと同じ心ですと、信仰を打ち明けことで、二百年以上にわたって禁教令がひかれ厳しく弾圧されていた中で、不屈の信仰を持って耐え忍んできた人々の子孫がいたことがわかった日です。
わたしは1965年の復活祭に洗礼を受けました。ちょうど洗礼を受けたころ、長崎の信徒発見の100年祭が話題になっていました。また不思議な縁で、わたしの携帯番号の最後の4桁が0317になっています。携帯電話の番号は自分で選んだものではなく、電機店で電話を購入した時についてきた番号です。またついでにわたしの携帯電話の番号の真ん中の4桁の数字1897です。1897に何か意味がないかと考えたら、1897年はリジューの聖テレジアの亡くなった年でした。わたしは18歳の時、この聖人の書いた本を読んで司祭になりたいと召命を感じたのです。わたしの生まれたのは1947年で、聖テレジアが亡くなってからちょうど50年後です。
聖テレジアは24歳で亡くなり死後まもなく彼女の自叙伝が出版され世界中に広まりました。日本でも翻訳されていて、わたしは戦前に発行された定価1円の本を教会の図書室から借りて読んでいた時、司祭になりたいと感じたのです。聖テレジアは24歳の若さで亡くなりました。彼女が普通に長生きしていたら、その自叙伝も世に出ることなく、わたしの司祭召命もなかったかもしれません。
伊達のカルメル会修道院から教えてもらったことですが、今年2023年はリジューの聖テレジアの生誕150年にあたるそうです。また2025年は列聖100周年になるそうです。またフランス政府がユネスコに人類の発展に重大な貢献をした人々の中にリジュー
の聖テレジアを含めるように要望していたところ、この要望が受け入れられ、リジューの聖テレジアの生誕150年が全世界で祝われるそうです。わたしは人生の若い時にこんなすごい人と仲良くさせてもらって良かったと思っています。
春分の日の前後にわたしのお世話になった方や親しかった方の命日があります。またこの時期には神さまからの恵みのつながりや亡くなった様々な人々との繋がりも感じます。神さま、いまの毎日の生活を本当にありがとうございます