「また、あなたとともに」

山本 孝神父

 教会だよりの巻頭言に何を書こうかと迷っていたら、今年の待降節から大幅に変更になる、新しいミサの式次第でミサをしていて、ミサの途中で、ミサ典書から目を離してしまい、次に何を言うのかわからなくなって、焦っている夢を見てしまいました。たぶんこれは、わたしがまだ新しいミサの式文をよく調べてなかったからだと思います。

それで待ったなしに今年の待降節から新しくなるミサについて皆さんに説明しておこうと思いました。

 第二バチカン公会議以前は、全世界どこでもラテン語で同じ形のミサが行われていました。公会議の後、トリエント公会議以降400年にわたって使われていたラテン語の典礼書から世界各国のことばによる典礼書が作られました。日本の司教団はラテン語の規範版のミサ典書から、日本にふさわしい言葉や動作を選び(例えば平和の挨拶では、日本ではお辞儀だけ)ミサのミサ典礼書を作りあげてきました。この度はさらに時代にあったものに変更が加えられています。今回皆さんにいちばん関係ある変更は、司祭がミサ中に何度か呼びかける「主は皆さんとともに」に対する応唱です。これは「また司祭とともに」ではなく「また、あなたとともに」に変わります。ラテン語の規範版の直訳では、「主は皆さんとともに」「また、あなたの霊とともに」でしたが、日本語のミサ典礼書ができた時「あなたの霊」は身体を離れた霊魂などを連想されるなど意味がつかめにくいため「また司祭とともに」になっていました。この場合の司祭は「祭儀を司るもの」の意味で採用されました。しかしながら司教や助祭がミサをする時には違和感があると言われ「あなた」とする訳が採用されました。「主はみなさんとともに」の呼びかけは、入祭、福音朗読の前、叙唱の前、平和のあいさつ、派遣の祝福にもあります。

 その他の大きな変更は、あわれみの賛歌(キリエ)、栄光の賛歌(グロリア)、感謝の賛歌(サンクトゥス)、平和の賛歌(アニュス・デイ)などの賛歌はみな原則口語に変更されています。

たとえば(世の罪を除く神の小羊、いつくしみをわたしたちに)のようにです。こういった賛歌の箇所ではみなさんは書かれたものを参照していると思いますが、「主はみなさんとともに」では何も見ていないので、たくさんの方が「また司祭とともに」と応えてくれると思います。ばんやりとミサに出ているとすぐにバレてしまいます。司祭の方も、寝起きでぼんやりとミサを立てているとすぐことばを見失ってオロオロしそうです。

 他にわたしが気になるのは、回心の祈りに「全能の神と、兄弟姉妹のみなさんに告白します。」と姉妹が付け加えられたことです。兄弟には多くの意味があり、けっして男性だけを指していないのです。(あなたは何人兄弟ですか?)とか(人類みな兄弟)などは広い意味で使われています。女性を排除した言葉ではないのです。ですから、典礼委員会には「全能の神と兄弟姉妹とおじいちゃんおばあちゃん」も付け加えられたらどうでうかと、提案したいくらいです。