「記念日アプリ」

   山本 孝神父

 先日、むかしわたしが働いていた東京の板橋教会の信者さんから、お祈りを頼まれていて、長いこと膵臓ガンで自宅療養中だったSさんが亡くなられた知らせをもらいました。教会から回った知らせには、Sさんは器用な方だったので教会の設備関係の面倒を見てくれたこと。そして告別式の日程が書かれていました。彼はわたしとほぼ同じ年代で、わたしが板橋教会にいたころ三人の子ども(双子の娘とその下の妹)は中学生くらいでした。奥さんは活発で教会の中で目立つ存在でしたが、Sさんはおとなしく控えめで、聖家族のヨゼフ様のような存在でした。Sさんご夫婦とは一緒にドイツとルルドに巡礼に行ったことがあり、亡くなった知らせをもらってから、今度わたしがミサをする時祈るために、娘さんにお父さんの霊名を聞きました。そうしたら、ヨゼフということで、本当に亡くなった本人にぴったりの霊名だったと思いました。そして、わたしのスマホの記念日アプリに書き込みました。そうすれば忘れていても来年の今頃になるとSさんの命日を教えてもらえます。

子どもの頃、朝ご飯の前に、母親が仏壇に「今日は○○の命日だから」と言って、お水とご飯をお供えをして祈っていたのを見て、わたしは歳をとると、亡くなった知り合いが多くなるんだな、それにしてもよく覚えているなと思ったことがあります。子どもはやることがいっぱいあり、過去を振り返ることはなく、大人はたくさんの記憶が溜まり、振り返ることも多くなるから、記念日や命日をたくさん思い出すのだろうと思っていました。

 わたしは携帯をスマホに取り替えてからもう10年くらいになりますが、スマホに記念日アプリを入れています。誰かの誕生日、洗礼記念日や霊名の祝日、命日などを入れて、一週間前に連絡するように設定しておけば、その時になると教えてくれます。このアプリの面白いところは、登録した日から今日が何日目かを教えてくれるところです。わたしは自分の誕生日から今日まで27.022日経過しています。司祭叙階は1976年7月18日だったので、叙階からは16.406日経過しています。洗礼を受けたばかりの頃は、ミサに出てご聖体を受けた回数を数えていたことがあります。このアプリがあれば、自分は司祭叙階から何回ミサをしたかが分かります。およそ3年間は入院や病気のためミサのでき

なかった日がありましたが、わたしは今まで司祭に叙階されてから18.000回はミサをしたことになります。すごいことです。

 最近は記念日アプリに亡くなった人を記録することが多くなってきました。「友の数 

あの世の方が 多くなり」という川柳がありましたが本当に歳と共に、知人、友人、恩人の命日をアプリに入れることが多くなりました。自分も自分の父親の年齢を超えてしまったのでいつ神様から呼ばれても不思議ではありません。

スマホをもっている人に是非お薦めしたいことは、記念日アプリをスマホに入れることです。そうすれば人の輪が広がり、さらにお恵みが行き交うことになります。無料のものもあります。誰かの記念日や誕生日に、祈りの花束のついたメールを送ってあげれば喜ばれます。命日には祈ってあげましょう。そうすれば、自分の命日にも祈りをしてもらえます。

7月18日はわたしの司祭叙階の記念日です。2月14日のバレンタインデーはわたしの霊名の祝日。わたしの誕生日はイエス様より半年遅い(早い)6月25日です。

だんだん先が短くなり、お祈りをお願いしておきたいので、図々しくこんな文章を書きました。