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「ボーっと生きています」

 

山本 孝 神父

 

 私は、昨年の4月に脳梗塞で入院し、7月初めに退院しました。もう少し体力が回復したら、今までのように働きたいと考えていました。

でも、神さまの計画は別のところにあったようで、私の思いとは反対に、8月初めに、また脳梗塞が再発してしまいました。それ以後はずっと入院生活が続いています。

現在は、回復期リハビリ病院に転院し、1日3回のリハビリを受けています。
 

 この病院には様々な人が入院していて、ほとんどは私より年上のように思えます。病気のせいなのか、年齢のせいなのか、それとも本人の今までの生き方が出てきているのかはわかりませんが、実に様々な人がいます。感じのいい人、挨拶を交わすくらい親しくなった人、中には大声を出す人、いつも動き回りじっとしていられない人、また、いつも病院のスタッフを困らせている身勝手な人もいます。
  昨年末に私は、お寺の掲示板についての放送を観ました。掲示板に書かれた一言が、話題になることがあるそうです。その中で私は、石川県加賀市の恩栄寺というお寺の掲示板に書かれている「ボーッと生きてもいいんだよ」という言葉が気になりました。


 私は、入院してからは左手が自由に使えないので、本を読むことも、祈りの本を開くことも出来ず、何もできなくてボーッと過ごしていました。今まで私は「ボーッと生きてんじゃないよ」を、自分にも他人にも要求してきたように思います。こうして入院していると、自分もそうですがここの病院に入院している人たちも、どうにもならない人なんだと気づきました。


 イエス様は、社会から軽んじられていた小さい人のことをいつも考えた人でした。自分が何も出来なくなってようやく目が覚めたというか、目を開けてもらった気がします。

病気に感謝!神に感謝!です。

これからは、何もできなくて、他人の世話になり、ボーッと生きていくことが多くなると思います。そして、より大変な人のことを考える深みのある人間に変わっていきたいと思います。

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