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山本 孝神父

 

 

年間第14主日 ルカ10.1-9 主はほかに72人を任命し、ご自分が行くつもりの町や村に…

 

2019/7/7 

                                    

今日、7月7日は七夕です。七夕はアジアで行われているお祭りで、日本でも古くからおこなわれてきたお祭り行事です。七夕と言えば、天の川を思い出します。

わたしは今年の大型連休が始まったばかりの4月29日に脳梗塞で入院しました。その日は朝ミサの後で、伊達のカルメル会修道院に行く予定でした。翌日にはそこから足を延ばし、道南の「上ノ国」町まで行くつもりでした。なんといっても「神の国」という名前がいいし、その町には「天の川」という川が流れていました。でも幸か不幸か出発前に救急車で運ばれて入院になりました。そのまま出発していたら、事故を起こした可能性もあり、「天の川」ではなく「三途の川」を渡っていたかもしれません。神の国もわざわざ函館の近くの「上ノ国町」に行かなくても、イエスは「神の国は、実にあなたがたの間にある」(ルカ17.21)と言っています。神の国はわたしたちの心の中から広まっていくものです。

今日の福音は、先週の続きでの箇所で、72人の弟子が派遣される場面です。神の国が広まっていくには、伝える人が必要です。わたしたちが「福音を宣べ伝える」とか「キリストを宣べ伝える」というときの「宣べ伝える」という言葉から送り仮名を取ると「宣伝」という言葉になります。わたしたちは、イエスの「神の国の平安」を人々に「宣伝」する使命が与えられています。この使命を果たすためには「刈り入れの主」に祈りながら歩むことができたらよいでしょう。

今日の福音個所は、弟子たちが福音を伝えに行く時の心構えがいろいろと述べられています。二人ずつ組にされたのは、福音宣教は本来独りで行うものではなく、お互いに協力し助け合うことが必要なことを教えていると思います。財布も袋も履物も持っていくな、は神の摂理に信頼して始めなさいということを教えています。聖人たちや大きな働きをした人たちは、自分の力ではなく、神が望んでおられるなら必ず実現すると考えて行動を起こします。マザーテレサはお金や何かのツテがあったから、死んでいく人や孤児の世話を始めたわけではありませんでした。むあし、帯広の十勝カルメル会修道院の建築の時、資金計画がハッキリしていないのに、神さまが何とかしてくださると建築を始めたので、役場の人が驚いたという話しを聞いたことがあります。

 

 

​2026年9月巻頭言「すべてのいのちを守るための月間」

 今年の夏、久しぶりに登山をする時間を得ることができました。最北の島である利尻島で利尻山に登りました。天候にも恵まれ素晴らしい天気の中、北海道で唯一と言っていいヒグマの心配をしなくてもいい登山は、心も体も浄化してくれるような良い祈りの時間でした。さすがに最北に位置する山らしく、他の山では6月頃に見られる高山植物が、今最盛期を迎えるように咲き誇り、厳しい自然の中にこそ生きる場所を見いだした、小さくも美しい姿に神様の創造の妙を感じずにはいられません。

 美しい自然の感動もありながら、その反面に容赦ない自然災害もまたわたしたちは直面しています。熊本の地震災害、千葉県や石川県での豪雨災害。片や地震と渇水に苦しみ、片や雨が降りすぎて流され生活の場を追われる。災害は今やどこでいつ起こってもおかしくない様相を示しています。北海道においても、火山活動が活発になり有珠山や十勝岳はいつ噴火してもおかしくない状況であるし、冬になれば今までは降っていなかった地域に大雪が降って都市機能が混乱することも。この自然環境の変化に、わたしたちはいったい何ができるのでしょうか。自然の驚異の前には、ただ指をくわえて見つめるだけしかない気もしますが、特に温暖化という現象の責任は人間の活動にこそあるということを知るならば、決して何もできないことはないのかも知れません。

 教皇フランシスコか日本を訪れた際に掲げられたテーマ「すべてのいのちを守るため」を受け、日本の司教団は、教皇回勅「ラウダート・シ」も踏まえて、毎年9月1日~10月4日(アシジのフランシスコ記念日)までを、「すべてのいのちを守るための月間」を正式に定めました。地球温暖化や生物多様性の危機といった環境問題に向き合い、戦争を初め、人類のみならずすべての生命とのつながりを大切にして具体的な行動様式の変化などを促す期間としました。

それらへの取り組みは、

①被造物を大切にするためのミサを執り行う。

②生活様式を振り返る、エコロジカルな回心。

③AIを含めた、これからの環境に関するエコロジカルな教育。

④貧しい人々と大地の叫びへ耳を傾ける、です。           リシリブシ/利尻岳2026年8月3日撮影

もちろん、環境問題はこの期間だけ考えればいいものではないことは当たり前のことですが、それでも特にこの期間だけは心を向けて祈り、また行動することが大切なのだと、教皇様も司教団も考えているということです。ですから、それぞれの個人としてあるいは教会共同体として何ができるのかを考え行く月とできればいいのかも知れません。きっとわたしたちの日常や周りにも、多くの課題と取り組みを見つけることができます。子どもたちと自然の中で遊びながら、その土地固有の植物の不思議さを話したり、外来種の脅威を伝えたり。水や燃料を無駄少しでも無駄にしないようにすることだったり、何よりも、今の自然環境を神様が造ったことに感謝し、祈ることを伝えていくことが大切なのであろうと思います。戦争を含め人間の愚かさは自らを滅ぼしていくのかも知れませんが、また逆に神様の造られたこの世界を、元通りの調和の世界に導いていくことができるのも人間にしかできないことです。それを神様から任されていることを知り、取り組んでいくことが、人類皆で担うべき「十字架」なのであろうと思います。

             

 

 

                                            

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