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「聖フランシスコとスルタンとの出会いから800年」

 阿部 慶太神父

 

今年は、アッシジの聖フランシスコとエジプトのスルタン・アル=マリク・アル=カーミルとの出会いから800周年記念の年で、教皇庁は特使を派遣するなど他宗教対話の分野では大きな行事が行われています。

 

1219年に、聖フランシスコ(以下フランシスコ)は、イスラム教徒に福音を伝えることを望み、エジプトに向かいました。カイロの北方、ダミエッタで、スルタン・アル=マリク・アル=カーミル(以下スルタン)と会見しますが、キリスト教徒であるフランシスコが、何も持たずに、御言葉だけを携えてきたことによってこの会見は実現しています。

 

キリスト教世界とイスラム教世界は対立していた十字軍の時代に武器を持たずに敵対する人々の地域に入っていったフランシスコの姿は、武力で制圧して戦争を終結させるというものとは真逆の姿といえます。

 

このフランシスコの行動と彼の言葉に感心したスルタンは、フランシスコに現在のイスラエルとその周辺への自由な通行と居住を許したのです。そのため、今も多くのフランシスコ会の兄弟たちが聖地周辺に住んで巡礼者のお世話をしています。

 

さて、800年前のこの出来事がなぜ注目されているのかというと、平和のために必要なことは、対話であることと武力に頼らない方法論であることを示すからです。さらに宗教の違う人々とも良い関係を築いていくこと相互理解が可能であることを示した実例だからです。

 

さらに、このフランシスコの出来事を記念して、フランシスコ会でも何かの行事や企画を行うようにすすめられています。旭川4教会もフランシスコ会が司牧を担当しているため、

9月の第1週目から10月のトランジトウス(フランシスコの帰天祭)までの期間「聖フランシスコについて知る」という講話とミサを隔週で企画します。

 

 「平和の人」、「対話の霊性」、「エコロジーの保護者」であるフランシスコについて興味のある方は是非お越しください。

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