恵みのつながりの中       

山本 孝 神父

 2月14日はわたしの霊名(ヴァレンチノ)の記念日だった。以前、2月14日は聖ヴァレンチノ殉教者の記念日だった。ところが、公会議後の典礼改革で聖ヴァレンチノが消え、2月14日は聖チリロ隠世修道者と聖メトジオ司教の記念日になった。

わたしは1964年、高校2年の夏休みが明けたころに初めて美唄教会に行き、翌年(1965年)の復活際に洗礼を受けた。2月14日はわたしが洗礼を受けたいと思った日だ。その日。美唄教会出身者の結婚式が札幌の月寒教会であり、誘われて、結婚式を見てみたかったので、連れて行ってもらった。往きはニコラオ神父様の車に乗せてもらった。ところが大雪のため、車が埋まり、月寒教会に着いたときには、すでに結婚式が終わっていた。帰りは美唄まで汽車で帰ってきた。

汽車の中で楽しく過ごしていたとき、誰かから「山本君は洗礼を受けないのか」と聞かれた。わたしは、それまで洗礼について考えたこともなかった。「でも、洗礼もいいな」と思った。洗礼名を選ぶときいろいろ考えたが、わたしは、洗礼を受けようと決めた日の聖人、聖ヴァレンチノの名前をもらった。わたしと一緒に洗礼を受けた佐藤宝倉くん(後の佐藤神父さん)は、聖アポロニオという4月18日(この年の復活際)の聖人の名前を選んでいた。その年の復活祭の受洗者は8人だったが男性はわたしと佐藤君の2人だけだった。

その日、美唄教会には叙階されたばかりの続橋神父様が初ミサに来ていて、わたしは続橋神父様から初聖体を受けたらしいが、そのことは何も覚えていない。 佐藤君とはその後、同じ道を歩み、神学校もフランシスコ会入会も司祭叙階もずっと同じだった。今年は洗礼を受けてから54年になった。来年は修道会に入会して初誓願から50年になるらしい。

先日、2月14日が記念日になっている、聖チリロ隠世修道者と聖メトジオ司教について調べてみた。この聖人たちのせいで聖ヴァレンチノの記念日が消されてしまったのだ。聖チリロと聖メトジオは兄弟で、この2人の聖人は、スラブ民族にキリストを伝えた使徒だった。スラブ民族は現在東ヨーロッパに広く分布しているスラブ語系のことばを話す人々で、ロシア人、ウクライナ人、ポーランド人、チェコ人などが含まれる。

わたしの恩師のニコラオ神父様は国籍がチェコでロシア人の血も交じっていたらしい。そうすると聖チリロと聖メトジオの伝えた信仰が、ニコラオ神父様にも伝わり、さらにわたしにも伝えられてきたと考えることもできる。信仰の恵みはどこかでつながりあっていてすごいと思う。

聖チリロと聖メトジオは教皇ヨハネ・パウロ二世によって、ヨーロッパの保護の聖人とされ、向こうでは祝日として祝われているそうだ。次回は、わたしが影響を受けた聖人について話そうと思う。 

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