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「白 鳥」

 

                             美架得留 間野

 

   毎年10月末から11月初旬にかけ修道院上空に数十羽からなる渡り鳥が北から南に向け飛んで行くのを見かける。いつも見慣れているカラスやトンビと違い優雅で美しく規律正しい飛び方は見る者の心を和ませてくれる。今年も11月前後にかけ渡り鳥の群れを何度か見ることが出来た。

   北海道には数多くの渡り鳥が1年を通して飛んでくる。その中で秋から冬にかけて冬から春にかけ飛来してくるのが丹頂鶴や白鳥、ガンである。始めて神居修道院上空に渡り鳥が飛んでいるのを見た時は丹頂鶴と思い興奮したが形や大きさを見ると白鳥である。

多くの鳥は鳥目と言われ夜になると視力が著しく低下し目が見えなくなると考えていたので夜(20~21時頃)、鳴きながら(お互いを確認しながら又は注意し合いながら?)飛んでいるのには驚いた「どうして暗い夜に飛べるのか?」。 しかし、フクロウ等は夜行性で夜の方が活発に動き回るので白鳥が暗い夜に飛んでいても不思議ではない。

  特に10~11月と4~5月にかけて湖や沼、川には何百・何千羽の白鳥やガンが飛来しとても壮観である。場所によってであるが野生であるにもかかわらずパン屑等を差し出すと近づいて食べるのでかなり人慣れし逃げようとしない渡り鳥がいる。旭川周辺でも渡り鳥が田畑や川、沼地で羽を休め地面に落ちた稲穂や藻、小魚をついばんでいるのを見かけるが人が近づくと逃げてしまう。どうして湖と田畑では違うのだろうと疑問になる。

   遥かロシア極東から何千キロという距離を移動し毎年同じ地に飛来して来る白鳥。地図もなければナビゲーションのようなものもないのにどうしてその地が分かるのか。本能だから当たり前と言えばそれだけであるが、よくよく考えてみると実に不思議である。   北から南へ何千キロという道のりを声を掛け合い、励まし合い、認め合い、確認し合いながら何ヶ月もかけて飛んでくる白鳥。私もイエスが歩まれた信仰の道のりを人生をかけて皆と共に歩み続けたいものである。

神を信じる群(教会)と共に、イエスを先頭にV字形飛行で。

​2026年9月巻頭言「すべてのいのちを守るための月間」

 今年の夏、久しぶりに登山をする時間を得ることができました。最北の島である利尻島で利尻山に登りました。天候にも恵まれ素晴らしい天気の中、北海道で唯一と言っていいヒグマの心配をしなくてもいい登山は、心も体も浄化してくれるような良い祈りの時間でした。さすがに最北に位置する山らしく、他の山では6月頃に見られる高山植物が、今最盛期を迎えるように咲き誇り、厳しい自然の中にこそ生きる場所を見いだした、小さくも美しい姿に神様の創造の妙を感じずにはいられません。

 美しい自然の感動もありながら、その反面に容赦ない自然災害もまたわたしたちは直面しています。熊本の地震災害、千葉県や石川県での豪雨災害。片や地震と渇水に苦しみ、片や雨が降りすぎて流され生活の場を追われる。災害は今やどこでいつ起こってもおかしくない様相を示しています。北海道においても、火山活動が活発になり有珠山や十勝岳はいつ噴火してもおかしくない状況であるし、冬になれば今までは降っていなかった地域に大雪が降って都市機能が混乱することも。この自然環境の変化に、わたしたちはいったい何ができるのでしょうか。自然の驚異の前には、ただ指をくわえて見つめるだけしかない気もしますが、特に温暖化という現象の責任は人間の活動にこそあるということを知るならば、決して何もできないことはないのかも知れません。

 教皇フランシスコか日本を訪れた際に掲げられたテーマ「すべてのいのちを守るため」を受け、日本の司教団は、教皇回勅「ラウダート・シ」も踏まえて、毎年9月1日~10月4日(アシジのフランシスコ記念日)までを、「すべてのいのちを守るための月間」を正式に定めました。地球温暖化や生物多様性の危機といった環境問題に向き合い、戦争を初め、人類のみならずすべての生命とのつながりを大切にして具体的な行動様式の変化などを促す期間としました。

それらへの取り組みは、

①被造物を大切にするためのミサを執り行う。

②生活様式を振り返る、エコロジカルな回心。

③AIを含めた、これからの環境に関するエコロジカルな教育。

④貧しい人々と大地の叫びへ耳を傾ける、です。           リシリブシ/利尻岳2026年8月3日撮影

もちろん、環境問題はこの期間だけ考えればいいものではないことは当たり前のことですが、それでも特にこの期間だけは心を向けて祈り、また行動することが大切なのだと、教皇様も司教団も考えているということです。ですから、それぞれの個人としてあるいは教会共同体として何ができるのかを考え行く月とできればいいのかも知れません。きっとわたしたちの日常や周りにも、多くの課題と取り組みを見つけることができます。子どもたちと自然の中で遊びながら、その土地固有の植物の不思議さを話したり、外来種の脅威を伝えたり。水や燃料を無駄少しでも無駄にしないようにすることだったり、何よりも、今の自然環境を神様が造ったことに感謝し、祈ることを伝えていくことが大切なのであろうと思います。戦争を含め人間の愚かさは自らを滅ぼしていくのかも知れませんが、また逆に神様の造られたこの世界を、元通りの調和の世界に導いていくことができるのも人間にしかできないことです。それを神様から任されていることを知り、取り組んでいくことが、人類皆で担うべき「十字架」なのであろうと思います。

             

 

 

                                            

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