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灰の水曜日

 山本孝 神父

マタイ6.1-6(隠れたことを見ておられる父が。あなたに報いてくださる)

 今年の復活祭は3月31日です。今日から始まった四旬節は、イエスの復活を記念する喜びの日である日曜日を除いて40を数えます。四旬とは「40日」をいみしますが、実際には日曜日が6日入るので、復活祭の46日前からの今日の水曜日から始まります。先週の土曜日(10日)にNHKのBSでベネチアのカーニバルの様子が放映されていました。カーニバル(謝肉祭)は元々キリスト教とは無関係な異教の習慣に由来すると言われていますが、いつのまにか四旬節前のどんちゃん騒ぎをする習慣として根付いてきました。

ローマの古い習慣では、四旬節は復活祭の6週間前の主日(日曜日)から始まったが、主日に断食するのは相応しくないということから、主日は数えないで正確に40日になるように、さらに遡って前週の水曜日から始めるようになりました。この日は回心を表す旧約以来のしるしとして、灰を頭にいただいたので〈灰の水曜日〉と呼ばれるようになりました。

 今日の福音は「施し、祈り、断食」について教えるイエスのことばです。現代の教会では「愛の行い、祈り、節制」を四旬節をとおして、行うことを特に薦めています。イエスは三つの行いについて「見てもらおうとして。人の前で善行をしないように注意しなさい」と言っています。人目に触れないところでなら、純粋に相手を思いやる気持ちから、愛の行いができます。隠れたところで祈るなら、ただひたすら神さまのことを想って祈ることができます。何か我慢することにしても、平然と過ごすよう努力するなら、神さまに喜ばれます。

 政治献金で裏金を作った人たちは人目につかないところで巨額な不正を行いましたが、私たちはこれからの四旬節の間、人目につかないところでの神さまに喜ばれる行いを心がけましょう。

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